(1)福島・茨城県境付近の集落で

森の色も里の色も変わる。朝日を受けた、ため池の藻の花の白さが目にしみる。澄んだ沢の水が流れ込む池にもかかわらず、近づくと溝(どぶ)の臭いがする。
元禄時代に作られ、昔ながらの姿を今に伝えていた池を破壊し、そこに生息していた全ての生き物を滅ぼした。
村が国の環境計画を無視して、今のような人工の姿に作り替えたのは、2001年のことだという。
(中土手から池の南側を見る。)
旧家の屋敷内にある休耕田
幸いこのため池の上には、旧家の屋敷田の休耕中の湿田がある。そこに生息している水生昆虫がいるし、また両生類が居る。これらの生物が、長い時間の経過の後には、ため池に、移動する生き物も居るのではないかと思う。
また、その休耕田には、周囲にはない植物もあるし、ため池で滅ぼされたものと同じ種類のものがある。幸か不幸か、中土手にあった自生のショウブも20年前に移植され、休耕田に繁茂していた。
(2)早朝の景色

朝(あした)7時、東山に昇った日が差しはじめた。ため池には、藻の花が咲き、睡蓮の花が咲き始める。
今朝は、まだ、スイレンの花の写真を撮る人も、釣りをする人も現われない。里の人々も、まだ姿を見せていない。新聞は、配達員が、毎朝、所定の置き場に集落の分をまとめて配達して行くのだが、それを取りに来る近所の人の姿もまだない。
日が昇り、森の色は変わる。日の差し具合によって、田畑の色も里の家々の色も変わる。無心に見ているとなかなか面白い。できることなら、いつまでも見ていたい!
しかし、いつまでもそれを見ている訳にはいかない。次の予定が、私を駆り立てる。さあ、もう出発しよう。あたらしい山里を訪ねるために!